NIPT相談外来
出生前遺伝学的検査という言葉を見聞きされたことのある方も多くいらっしゃるかと思います。赤ちゃんを授かると多くの人が、代え難い喜びと同時に、「ちゃんとお腹の中で育って、健康な子が生まれてきてくれるだろうか…。」と漠とした不安を感じます。実際には、100人中3~5人の赤ちゃんに先天的な疾患があると言われています。その疾患は、日常生活に差し障りのないものから、命に関わるものまでさまざまで、産まれてくるまで分からないこともたくさんあります。
このたび、当院産婦人科は、埼玉医科大学病院の連携施設としてNIPT(non-invasive prenatal genetic test 無侵襲的出生前遺伝学的検査)を実施する医療機関の施設認証を取得しました。NIPTは前述の先天性疾患の中でも比較的頻度の高い染色体疾患である21、18、13トリソミーに関して、母体血内の胎児由来DNAを用いて検査できる手法です。2013年から国内で臨床試験的に大学病院等で実施されるようになった検査で、非侵襲的でありながら、従来行われてきた母体血清マーカー検査に比較してより精度の高い結果が得られます。(非確定的検査であるため、診断の確定には侵襲的な羊水検査を要します。)
決して、すべての妊婦さんに対してNIPTを受けることを推奨するのではありません。NIPTを含め種々の出生前遺伝学的検査を受けるか受けないかということについては、赤ちゃんの父母による自律的な意思決定が尊重されます。生命倫理的な側面ももつ検査であるため、赤ちゃんのことや家族の在り方などをご夫婦がしっかりと話し合われた上で、決めていただくことが大切です。「赤ちゃんに染色体異常がないか知っておきたい」「出生前検査って具体的にどういう検査があるのか知りたい」「周囲の人に勧められたけど検査を受けるか迷っている」「上の子に疾患があったので次の子はどうか心配」という場合は、NIPT相談外来でのカウンセリングを通して、ご夫婦と医師とで一緒に熟慮し、検査を受けるか否かを決めていただければと思います。
当院で対応が難しい特定の遺伝性疾患などをご心配なさっているケースは、埼玉医科大学病院へご紹介いたします。染色体異常をもって産まれて来られるお子さんについての話を聞いてみたいという場合は、出生前コンサルタント小児科医(当院小児科大﨑医師)にお繋ぎいたします。今までNIPTは遠方の大学病院に一任していましたので、受診が難しかった方もいらっしゃるかと思います。近隣にお住まいで他院で分娩予定の妊婦さんのカウンセリング・検査も承りますので、ぜひご活用ください。
実施日時
月・火・金曜日 14:00~/14:30~/15:00~(※完全予約制です)
料金
- 相談外来受診料 3000円+税
- NIPT検査料 110,000円+税
その他
- ご夫婦(妊婦さんとパートナー)での受診をお願いいたします。
- 他院で健診中の方は、紹介状をお持ちください。
お問い合わせ先
深谷赤十字病院 産婦人科外来