救命救急センター
特色
救命救急センターは、重篤な救急患者の医療(三次救急)を確保することを目的として、厚生労働省から認可を受けた医療機関です。高度な医療機器を配備し、相当数の専用病床を有し、三次救急医療に精通した救急科専門医を常勤として置き、複数の診療科にわたる全ての重篤な救急患者に対して24時間の医療体制をとっています。また、常時緊急手術を行える体制をとり、救命救急センター内の専用病棟(ICU・CCUと後方病棟)には救急専任の看護師・薬剤師を配置しています。
救急隊が現場で三次救急対応と判断した患者さんの受け入れのほか、休日夜間急患センターなどの初期(一次)救急や、都道府県知事から指定を受けた二次救急の指定病院と連携して、これらの医療機関では対応困難な救急患者さんも受け入れています。特に、交通事故などによる重症外傷・多発外傷や、重度の熱傷、心筋梗塞、脳卒中、重症中毒、重症感染症など、緊急で高度かつ専門的な医療が必要な救急患者に対応しています。
当救命救急センターは平成4年4月20日に開設されました。現在、埼玉県内には救命救急センターが8施設ありますが、うち7つは南東に偏在しているため、当施設は県北唯一の救命救急センターです。深谷・熊谷・本庄児玉・秩父・行田・羽生と、広範な2次救急医療圏の中心的存在として位置付けられています。平成16年8月の新築時にはヘリポートを設置し、以後ヘリコプターによる救急患者搬送も受け入れています。
当救命救急センターの初療室(ER)は、重症患者治療に3床を有するほか、一般診察も可能な3室と、小児科・産婦人科専用をそれぞれ1室有し、さらに経過観察用ベッドが5床あり、全国にも例がないほどの十分な診療環境を確保しています。またレントゲンを始め、CT、MRI、血管造影室を全て近くに集約し、ごく短時間で安全に移動できる環境を作り、高度な医療をより安全な環境で提供でき、かつ同時に多数受け入れられる体制をとっています。
平成26年からは救急医の体制も整備・強化し、より多くの救急車受け入れや、他科との連携強化、緊急手術・集中治療の整備、自科での完結治療を図っています。これにより、以前は2,000件台で推移していた救急車搬送件数は3,500件を超えるようになり、救急診療科や各専門科の緊急手術件数(カテーテル治療を含む)も増加しています。また、先に記したメディカル・コントロールによる担当地域を超え、比企広域(東松山、嵐山、滑川、小川、東秩父など)からの搬送も増えています。
なお、臨床研修医のほか、医学生や看護学生、救急救命士等の指導を常時行っており、適切な臨床研修の機会を提供できるように努力しております。日本救急医学会認定の各種教育コース(病院前外傷診療(JPTEC)、心肺蘇生(ICLS、BLS)等)も開催しています。
以下、当救命救急センターの重点目標を記します。
当救命救急センターの重点目標
- 救命センターとして高度かつ専門的・綜合的な救急医療を行います。
- 各診療科とも連携して、安全で質の高い医療を行います。
- 臨床・学術とも、救急医療に関するレベルの向上を図ります。
- 地域救急医療の充実を図ります。
運営方針
- 重症(三次救急)患者を24時間体制で受け入れます。
- 初期・二次医療機関からの転送を24時間体制で受け入れます。
- 初期・二次救急医療機関や消防と連携して、地域の実情に応じた救急医療を行います。
- 当院通院中の患者の当該疾患の悪化に対しては、救急対応を通して当該科が対応します。
- 救急搬送や転送・転院で緊急入院が必要な患者のための病床を常に5床以上確保します。
- 様々な医療従事者(医師・看護師・薬剤師・放射線技師・救急隊等)に対して救急医療教育を行います。
- 地域の消防・救急隊と連携して、病院前から一貫した診療が行えるようにします。