日本赤十字社 深谷赤十字病院

〒366-0052 埼玉県深谷市上柴町西5丁目8番地1 TEL: 048-571-1511(代)

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がん診療

当院は地域がん診療連携拠点病院に指定されています

地域がん診療連携拠点病院とは、全国どこでも質の高いがん治療を受けることが出来るように、各地域におけるがん診療の連携、支援を推進する拠点となるように厚生労働省から指定された医療機関のことです。             埼玉県では、埼玉県立がんセンター(都道府県がん診療連携拠点病院)を中心に県内の医療圏ごとに13の医療機関が指定を受けており、北部医療圏では深谷赤十字病院のみです。                         

(参考)埼玉県内の地域がん診療連携拠点病院                                 県央・・・・埼玉県立がんセンター                                           さいたま・・さいたま赤十字病院、さいたま市立病院、自治医科大学附属さいたま医療センター          南部・・・・川口市立医療センター、埼玉県済生会川口総合病院                         南西部・・・独立行政法人国立病院機構埼玉病院                               川越比企・・埼玉医科大学総合医療センター                                西部・・・・埼玉医科大学国際医療センター                                  北部・・・・深谷赤十字病院                                         東部・・・・春日部市立医療センター、獨協医科大学越谷病院

 

当院のがん診療について               院長  伊藤 博

 現在日本では、2人に1人は癌にかかり3人に一人は癌で死亡しており、死因の1位となっています。深谷赤十字病院では総合病院として種々の領域の、多くのがん患者さんの治療を行っています。

 がんの治療は通常1回の入院、手術で終了ということはありません。手術後の抗がん剤や放射線による、通院治療や、残念ながら再発した場合の2次治療、さらにはがんによる痛みや、苦痛を和らげるための緩和医療もがんそのものの治療とともに早い段階で必要となるケースもしばしばです。深谷赤十字病院は、地域がん診療拠点病院として住民の皆様にこの地域で完結できる質の高いがん治療を提供する役割があると思っております。がん診療についての、相談、疑問、セカンドオピニオンの提供も含め、がん相談の窓口を設置して皆様からのお問い合わせに対応させていただいております。是非ご相談ください。                                                                 

 がん診療における3大治療手段は手術、薬物(抗がん剤)療法、放射線治療です。これら治療手段をがんの種類、進行度(ステージ)、患者さんへの負担などを考慮して選択、組み合わせながら治療を行います。ほとんどすべてのがんに対し、現在では関連学会を中心に標準的治療ガイドラインが作られています。当院の治療も基本的にこれらガイドラインに沿った治療を行っていますが、この地域の病院としては、ご高齢、認知症、心疾患、腎臓病、脳梗塞、身体運動能力低下などの合併症を有する患者さんの割合が多く、標準治療をそのまま当てはめるのではなく、患者さん一人一人の状態を考慮して治療法を決めて行くことが必要と考えています。

 以下主ながんの治療の概略についてお話しします。

消化器領域

当院のがん治療で最も症例数が多いのが消化器がんです。消化器がんは、胃がん・大腸がんなどの消化管にできる癌と、肝臓がん・膵臓がんなど臓器にできる癌とに大別されます。

胃がんや大腸がんでは、ポリープも含めごく早期のものは、内視鏡による治療が可能で、当院でも消化器科を中心に数多く行われています。それより少し進んだがんを取りきるのには外科手術が必要です。手術も現在では症例ごとに適応を判断して、体への負担が少ない腹腔鏡(カメラ)を用いた手術が大腸がんを中心に数多く行われています。

肝臓がん、膵臓がんなど臓器にできた癌の手術は難しい手術になることが多く、限られた施設で行われるのが一般的です。深谷赤十字病院は日本肝胆膵外科学会による肝胆膵外科高度技能専門医修練施設(B)の認定を受け、この領域の高難度手術を行える医師が複数おります。また肝臓がんでは、手術の他、マイクロ波焼灼術、血管カテーテル(細い管)による肝動脈抗がん剤注入、塞栓療法(TACE)、分子標的抗がん剤、放射線療法など癌と患者さんの状態に適した治療を行っています。

血液のがん

血液がんの主なものに、白血病・悪性リンパ腫・多発性骨髄腫などがあります。

これらの血液疾患の診断や治療は近年めざましい進歩を遂げており、これまで根治が難しいと考えられていた疾患も、治癒を目指しうるものに変わりつつあります。

当科は日本血液学会が認定する研修施設として、血液専門医4名を擁し、造血器腫瘍診療ガイドラインに準拠しつつ、標準治療から最新治療までを含め、患者さんの状態に即した診療を心がけています。

診断は病態に応じて、血液検査・骨髄検査・リンパ節生検・CT検査・内視鏡検査などを適宜組み合わせて確定し、特に急性骨髄性白血病・急性リンパ性白血病・慢性骨髄性白血病・慢性リンパ性白血病・悪性リンパ腫・多発性骨髄腫に対して標準的な化学療法を行っています。また、造血幹細胞移植療法(骨髄移植・末梢血幹細胞移植・臍帯血移植)が必要と判断した場合には、当科や他施設とも連携し、速やかに移植治療を行います。

また、化学療法(抗がん剤治療)後の白血球減少期に合併しやすい呼吸器感染症を予防するために、完全無菌室や移動型無菌層流装置を備え、安全に治療が行える体制を整えています。

その他のがん

肺がん < 外科的治療(手術)>

肺がん治療における外科治療(手術)の重要性についてはいうまでもありません。当院では、呼吸器外科学会認定専門医のもとで、肺がんの治療をがんばっています。当院の治療のスタンスは、

1)当院の地域性からも必要とされる「自給自足の医療」

2)医療の良心ともいえる「患者さんの目線での医療」

3)外科診療科の立場からの「あきらめない医療」

です。そのためには高い技術を維持するとともに、自身および当院施設の限界も知って、できることできないことを把握して対応し、その結果患者さんのもっとも得となることは何かを常に模索していく、こんな考え方を大切に思いつつ診療にあたっています。

医学の発展してきた現在、外科医はただ手術を行えれば良いわけではありません。抗がん剤も患者さん個人個人にあわせた薬を選択する時代になりましたし、放射線治療も種類が増えました。効果も副作用も多岐にわたります。それらを常に整理しつつ、患者さん個人個人に対して、いろいろな選択肢を駆使して総合的に診療を行っています(放射線治療の一部については当院では行えないものもあり、その場合には実施可能施設との連携を深めております)。

手術の立つ位置も、上述のごとく他の治療方法が進歩してきたこともあり、以前のように何が何でも取り切る「進め進め!!!」の手術からはだいぶ様相が変わってきています。小範囲を切除して、他の治療法と組み合わせることも稀ではありません。しかし、それでも現在でも大きくしっかりと切除したいと思われる状態の方に出会うことも多いです。そのときには標準手術の枠を超えて、8時間でも9時間でも手術をやり遂げていく能力(体力・気力すべて)をいつも維持できるよう日々研鑽を積んできており、実際施行してきています。

手術という外科医にとっての一番の武器は「いつでも積極的に使用できるぞ」という技術を持ち合わせつつ、複雑な抗がん剤治療なども行える、患者さんそれぞれにもっとも有効であろうと思われる治療方針をきちんと示せる呼吸器外科でありたいと感じています。

また不幸にして再発や転移などを来たし(肺がんは現在でも完治がむつかしいがんの一つであることは事実です)、外科的な対応が困難な状態になってしまわれた患者さんでも、その先なにが一番ご本人にとって大切なのかをしっかりと見つけ、患者さんと一緒に考えていく医療も大切だと考えています。緩和医療を含めて、がんに立ち向かう医師としての気持ちをこめたお付き合いをしていきたいと思っております。 

乳がん

近年食事、生活スタイルの欧米化などの関連も指摘されておりますが乳がんの患者さんは増加傾向です。乳がんは治療を考える上で、画像診断(マンモグラフィー、CT、MRI、エコーなど)と細胞、組織を採取しての病理診断により、がんの進行度(ステージ)、病理学的がんの性質を把握しておくことが重要です。

手術はがんを周りの組織を含め取り残しの無いように切除する乳房温存術が基本ですが、時には確実に切除することを考慮し乳房切断術も選択されます。手術とともにむしろ主役とも言えるのが抗がん剤治療です。乳がんに効果のある分子標的薬と言われるものを含め最新の抗がん剤が数多く認可され、先に述べた病理学的ながんの性質により薬剤を使い分ける必要があります。当院では乳がんに保険適応のある最新の抗がん剤、ホルモン製剤を用いて、主に外来通院での治療を行っています。

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